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大空を駆けた戦士たち

当時には当時の日本人の思いがあった。

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 子供の頃、ゼロ戦のプラモデルを作ったものですが、今の子供はTVゲームのほうが主流でプラモデルは作らないのでしょうか。

 ゼロ戦は大東亜戦争でも日米戦での印象が強いですが、初陣は支那事変です。昭和15年7月上旬、第十二航空隊長の新藤三郎大尉は「新型戦闘機受領」の命を受け、横須賀基地海軍航空隊に出張します。そこでゼロ戦と初めて対面して目を瞠り(みはり)ました。スマートな機体、密閉式の風防、両翼には戦闘機の武装として見たことが無い20ミリ機銃、日本の戦闘機として初めて、油圧による引き込み脚。
 昭和15年9月13日、新藤大尉は陸上攻撃機の援護のゼロ戦13機の指揮官として重慶上空へ進撃します。敵戦闘機と遭遇してゼロ戦初の空戦となりました。結果敵機27機全機撃墜。味方の損傷はゼロという伝説的な戦果となりました。

 ゼロ戦は開戦時、真珠湾攻撃で活躍し、台湾から飛び立ったゼロ戦はフィリピン上空で空戦を行うという未曾有の長距離攻撃を行っています。そしてニューギニア方面で活躍し、米のF6Fヘルキャットが出現するまで航空戦での優位を保ちました。

 ゼロ戦は防弾設備がなく、人命軽視だった、という話を聞いたことがある人が多いでしょう。たしか「ゼロ戦燃ゆ」という映画でもそのような話が出ていた記憶があります。初期の21型に防弾設備はありませんが、52型には防弾設備があります。また、初期に防弾設備がなかったのは、中途半端な防弾装備を施すよりは軽量化を図り、速度や運動性などを向上させることで被弾確率を低下させた方が合理的であると考えられたからであり、人命軽視ではなく、むしろ被弾させないための人命重視です。人命軽視だった、というのはおそらく戦前を全否定する戦後思想から出たものでしょう。

 ノンフィクション作家の神立尚紀氏はゼロ戦乗りだった人の取材をしています。その中で話しを聞こうとすると「いや私は死に損ないですから・・・勘弁してください」という場面に出くわしたと述べています。新藤三郎氏も元ゼロ戦搭乗員の間では「誰が行っても戦争の話はしたがらない」という人でした。新藤氏は戦争後半「いままで大勢の部下を死なせてきたが、もはや日本が勝つとは思えない。またこの搭乗員たちを死なせるのか・・・俺もそろそろ死に場所を考えなきゃいかんな」と考えたといいます。その自分が生き残った。複雑な思いで戦後をすごしたことでしょう。元ゼロ戦乗りの中には日本敗戦によって一変した価値観や歴史観への反発と戸惑いによって沈黙を続けた人が多いといいます。

 ゼロ戦ではなく、陸軍の「隼」戦闘機の話ですが、加藤隼戦闘隊で活躍した安田義人氏は「私は自分の子供に戦争の話を多くは語らなかった。というのは、戦争というものの職烈さ、無残さ、空しさを含めて、よくその真相を語りえなかった」と述べています。また、「若鷲たち(戦闘機乗り)が、まなじりを決して敵機に立ち向かう勇気は、また戦争の無残さ、空しさとは別もの」とも述べており、戦後価値観の変化の中でどう戦争を語ればよいかの戸惑いがあったのでしょう。戦後は「戦争は残酷」という一辺倒の論調が教育、言論空間を支配しましたから。

 「大空のサムライ」を書いた元ゼロ戦乗りの坂井 三郎(さかい さぶろう)氏は平成12年(2000年)に亡くなりました。もう大空を駆けた戦士のほとんどの方は鬼籍に入られたことでしょう。戦後の言論空間はこうした祖国の栄光を信じ、国を守るために命をかけた人たちの思いを封じてきたように思います。もう「戦後」は十分です。これからは先人の思いを素直に見れる世にしたいものです。


参考文献
 ワック出版「歴史通」2010.9『零戦、かく戦えり』神立尚紀
 学研文庫「栄光 加藤隼戦闘隊」安田義人著

添付画像
 靖国神社に展示されているゼロ戦(JJ太郎撮影)


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実録 ゼロ戦の勇姿
http://www.youtube.com/watch?v=amOBBNC-1HE

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