歴史で謝罪することは愚か
謝罪はバカにされるだけ。
昨年は日韓併合100年を迎えて「菅談話」なるものが飛び出し、「村山談話」につづく歴史認識による謝罪外交路線を打ち出しました。このような外交は世界からバカにされるだけです。
平成6年(1994年)東南アジアを歴訪した村山富市首相(当時)に対してマレーシアのマハティール首相はこう述べました。
「日本が50年も前に起きた戦争を謝り続けることは理解できない」
「日本に対して、今更戦後賠償を求めるようなことは、わがマレーシア国民にはさせない」
「過去の話はもううんざりだ!」ということです。当たり前です。外交というのは将来のことを話しあうものです。村山首相は何の言葉も返せませんでした。
歴史を外交武器にして攻撃してきているのは中華人民共和国です。昭和39年(1964年)、当時の社会党副委員長の佐々木更三氏が北京を訪れたとき毛沢東は以下のように述べています。
「友人のみなさんを歓迎します。日本の友人たちは、皇軍が中国を侵略して申し訳ないと言いました。私は、いいえ、と言いました。もし、日本の皇軍が中国の大半を占領していなかったら、中国人民は団結してこれに戦うことができなかったし、中国共産党は権力を奪取することができなかったでしょう。ですから、我々にとって、日本の皇軍は立派な教師だったのです」
実は感謝していたのです。ですから、現在は方針転換して歴史を使って外交問題にして攻撃しているわけです。南京大虐殺というでっち上げでも、日本が謝罪してペコペコするなら、何でも使ってやれ、要求はどんどん突きつけてやれ、ということになるのです。
チベット問題に詳しい、大井功氏はビジネスマンとして1990年代に東南アジア政府系企業、華人財閥系企業の合弁事業に携わり2001年以降にシンガポール、バンコク駐在を経験しています。シンガポールの官僚たちは他国とのビジネス交渉を進めるような人たちで、日本ほど国力があり、技術があり、カネのある国の官僚だったら他国相手にももっと有利な交渉が進められるはずだ、と思っているそうです。
「日本は、もっと前に国連の常任理事国になっているべきだ。いまだに、中国の顔色ばかり見ているのはおかしいよ」
これに対して大井氏は「戦争のときに迷惑をかけた、という引け目があるからだろう」と答えたところ華僑系シンガポール人がこう述べます。
「日本人に、100年たってもそう思わせておくことが、メインランド・チャイニーズ・コミュニスト(本土の中国共産党)の戦略だと思わない?」
まったくもってズバリです。さらにこう述べます。
「僕らシンガポール人は、当然、中国に祖国意識なんかない。祖国どころか世界一怖い国だと思っている。我が家の歴史をたどると、太平洋戦争中、叔父が一人、日本軍に殺されたけど、別の伯父が二人、中国本土で共産党に殺されている」
「いい?日本軍に殺された叔父は、国民党とつながっていて武器を持ち込んだから殺された。つまり理由があって罰せられた。でも中国本土で殺された伯父たちの死に正当な理由はなかったと思う。中国とは、そういう国だよ」
大東亜戦争時、日本軍はマレー、シンガポールで華僑ゲリラの掃討を行っていますから、この華僑系シンガポール人の叔父はその関係で殺されたのでしょう。中国本土で殺されたというのは大躍進政策か文化大革命と思われます。2000万人~3000万人が殺されました。
そしてこのシンガポールの人たちは必ずこう付け加えるのだそうです。
「僕らは日本に期待している。アジアのリーダーとして、正しいやり方をきちんと主張してリードすべきだ。そうでなければアジアはめちゃくちゃになる」
謝罪外交などやっても一部の政治家だけの利益になるだけであって、日本国民の利益でもないし、アジアの利益でもないのです。我々は歴史で謝罪することがいかに愚かなことであるかをよく知っておかなければなりません。
参考文献
WAC「渡部昇一の昭和史(正)」渡部昇一(著)
中央文庫「われ巣鴨に出頭せず」工藤美代子(著)
祥伝社「チベット問題を読み解く」大井功(著)
添付画像
シンガポールを行進する日本軍昭和17年(1942年)2月(PD)
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