GHQ憲法「政教分離」の正体
日本弱体化が目的だった政教分離。
天皇陛下は国民の安寧と五穀豊穣を祈り続けられる祭祀王です。昭和天皇は崩御される数日前まで侍従に稲の実り具合や小麦の取り入れ具合のことばかり尋ねられたといいます。天皇陛下の祈りは「私」でないはずです。しかし、憲法の定める「政教分離」によって天皇陛下の祈りは「私」にされてしまっています。皇室費には内廷費、宮廷費、皇族費とあり、皇室の生活費に相当するのは「内廷費」になります。皇室祭祀はこの内廷費になっています。神官、巫女他内廷職員二十五名、祭祀に関する様々な経費は天皇の私事として内廷費になっています。なんとも妙な姿です。
戦後日本の占領軍支配下で「国家神道」という宗教イデオロギーを破壊して日本を内面から弱体化させようとしたGHQは「神道指令」を発します。GHQ憲法の「政教分離」もその流れを汲んでいます。これはGHQが「国家神道」が日本人を優れた民族と信じさせ、神である天皇を世界に君臨させ世界征服につながっているという誇大妄想によるものでした。また、GHQは共産主義者の巣窟になっていましたから、マルクスの「宗教は阿片である」とうい無神論も入っている思われます。しかし当時でも神道はイデオロギーでも何でもなく、「宗教ではない」とさえ言われていました。
「神道指令」は国家神道、神社神道に対して政府の直接的な支援を廃止していましたが、GHQ憲法の「政教分離」は実は「限定的政教分離」といわれ、社会生活に不合理を生じないように限定するというものです。例えばミッション系の学校に助成金を出したり、文化財の維持、保全に補助金を支出するなどということは問題ないわけです。GHQ憲法では「国およびその機関は宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」(The state and its organs shall refrain from religious education or any other religious activity.)と書かれています。「宗教的活動」(religious activity)というのは積極的に布教、伝道を行うことです。宗教行為(religious act)を禁止しているわけではありません。(注:GHQ憲法は英語で書かれ日本語に翻訳されたものです)
そうすると天皇陛下は民のために祈っているのであって布教、伝道しているわけではありません。総理大臣の靖国神社参拝を「政教分離」に反するという人がいますが、布教、伝道しているわけではありません。宗教行為に留まります。そもそも戦没者を追悼するのは宗教行為というより昔からの日本人の習俗でしょう。例えばお正月というのも宗教ですが習俗でしょう。正月に門松やしめ縄をするのも実は宗教行為ですが習俗でしょう。総理大臣は正月をやってはいけないなんて事はないはずです。
日本を弱体化させようとした政教分離は実はGHQ憲法下では宗教行為は問題なかったわけですが、それをあたかも行為さえも禁止されているような実態や論調があります。GHQから何者かに日本弱体化作戦が引き継がれていると認識しておくべきでしょう。
参考文献
小学館「天皇論」小林よしのり著
PHP新書「日本人としてこれだけは知っておきたいこと」中西輝政著
総和社「日本は憲法で滅ぶ」渡部昇一(監修)
参考サイト
WikiPedia「神道指令」
添付画像
GHQ憲法にサインする昭和天皇(PD)
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