シンガポール陥落、他国の反応
世界が驚いたシンガポール陥落。
大東亜戦争英米との開戦緒戦、昭和17年(1942年)2月7日から15日かけてシンガポール攻略戦が行われました。難航不落の要塞とされたイギリス軍が守備するシンガポールも日本軍の猛攻の前に2月15日の朝、最終防衛線を突破され降伏します。
ベルリンとマドリードの朝日新聞の特派員の交信(朝日新聞記事)
ベルリン支局「シンガポールの英軍が降伏しました。おめでとうございます」
マドリード公使「いやおめでたいともなんとも--僕には今日ほど喜ばしい日はないのだ、今日丁度スペインの某大臣のところで独伊両公使と一緒に招かれていた。その席でこのニュースが飛び込んだ途端にワッと歓声が挙がり僕に杯が殺到して大変な目に遭ったよ。何しろ英軍が手を挙げ文句なしに頭を下げたのだからね。ヨーロッパではそこまで考えていなかったからビックリしたのも当然だ」
ソフィア(ブルガリア)とベルリンの朝日新聞の特派員の対話(朝日新聞記事)
「最近こんな話があるよ。ブルガリアの兵隊二人が日本公使館を訪れて突然毛皮の外套二着を差し出し、これをシンガポール一番乗りの兵隊と二番乗りの兵隊に送ってくれと言うんだ。山路公使は面食らってお志だけはありがたく受け取るが、シンガポール戦線は暑くてとてもこの外套を着て戦争は出来ないからと丁重に礼を述べて帰らせた。また北ブルガリアのオレチヨの町長は一万五百レワの金を集めてこれをシンガポール一番乗りの勇士に送ることにしたなどというふうにブルガリアの心からの喜びは聴いていてまったく気持ちが良い」
シンガポール陥落は大変衝撃だったことが伺えます。何しろ世界を席巻した大英帝国が誇る難攻不落の砦が陥落したのですから。
フランスのドゴール将軍(戦後のフランス大統領、戦中はロンドンに亡命)
「シンガポールの陥落は、白人植民地主義の長い歴史の終焉を意味する」
ブラジルなど南米諸国はアメリカの圧迫が大きかったので当初は反日ムードだったそうですが、シンガポール陥落によって一気にムードが変わったそうです。アルゼンチンなどは同盟国寄りの姿勢でした。
たぶん、意外と思われるのはスペインとブルガリアが同盟国(枢軸国)側だったということでしょう(スペインは表面的には中立国)。私も昔は同盟国は日独伊だけかと思っていましたが、いつだったか多くの国があったのを知りました。文字通り世界大戦だったのですね。
どういう関係で同盟国、連合国に分かれていたのか?持てる国(植民地)が連合国、と持たざる国と被支配国が同盟国、と見ることができます。
[同盟国](枢軸国)※1
ドイツ国
(1939年-1945年)
大日本帝国
(1940年-1945年)
イタリア王国
(1940年-1943年)
ハンガリー王国
(1941年-1944年)
ルーマニア王国
(1941年-1944年)
フィンランド共和国
(1941年-1944年)
ブルガリア王国
(1941年-1944年)
タイ王国
(1942年-1945年)
独立スロバキア
(1939年-1945年)
アルバニア王国(イタリア支配下)
(1940年-1943年)
イタリア社会共和国
(1943年-1945年)
アルバニア王国(ドイツ支配下)
(1943年-1944年)
クロアチア独立国
(1941年-1945年)
自由インド仮政府
(1943年-1945年)
ビルマ国
(1943年-1945年)
ハンガリー国
(1944年-1945年)
--------
[同盟国の影響国]
蒙古聯合自治政府
中華民国南京国民政府
満州国
フィリピン第二共和国
ベトナム帝国
カンボジア王国
ラオス王国
ギリシャ国
ピンドス公国・マケドニア公国
セルビア救国政府
モンテネグロ王国(イタリア支配下)
フランス国
ロシア諸民族解放委員会
デンマーク王国
(1940年~1945年ドイツの占領下)
ノルウェー王国[1]
(1940年~1945年ドイツの占領下)
※1[枢軸国] 1936年、ムッソリーニがローマとベルリンを結ぶ垂直線を枢軸として国際関係は転回すると演説したところから由来。
参考文献
徳間書店「GHQ焚書図書開封」西尾幹二(著)
日本教育新聞社「日本人よ ありがとう」土生良樹(著)
添付画像
シンガポールを行進する日本軍1942年(PD)
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