プロパガンダ戦は続いている
ナショナル・アイデンティティ・ウォー。
16世紀に「太陽の沈まない国」といわれ隆盛を誇ったスペイン大帝国は無敵艦隊がイギリスに敗れたことによ凋落したと言われています。ところがこの凋落の裏にはイギリスと、オランダのプロパガンダ攻撃があり、スペイン大帝国は自虐史観に悩まされました。
スペインの植民地ではとんでもない酷いことが行われたと宣伝するのです。
「彼ら(スペイン人)は村々に押し入り・・・老いも若きも身重の恩納も悉く捕らえ・・・引き裂きずたずたにした」
「彼らは誰が一太刀で身体を真っ二つに斬れるとか、誰が一撃のもとで首を切り落とせるかとか賭けをした」
これがうまくいったせいでしょうか。イギリスは第一次世界大戦でもドイツに対してプロパガンダ攻撃を行います。
「英国を撃つ」武藤貞一 昭和12年12月 (GHQ焚書図書開封より)
「例えば老人子供を木の枝に吊るして、銃剣の先で突き殺している光景や、寺院におけるドイツ兵蛮行といったような写真がまことしやかに戦場から送られてきたのであるが、これらは何れもロンドンの新聞社写真部屋で大掛かりに製作したものばかりで一つも本物はなかったのだが雷同性に富んだアメリカ人は真偽の分別もつかず、無暗とそれを見て騒ぎたった。殊にどこの国にもある特有の変質的インテリより成る平和団体、婦人団体、宗教家、大学教授などによって最も騒がれ出してきた。この頃からイギリスの宣伝戦はぼつぼつ奏効し始めたのだ」
昭和12年の本ですから、英国とは戦争をしていない頃です。この本はベストセラーになったそうですから、この頃日本人は英国に脅威を持っていたことがわかります。こういう本は戦後焚書されましたから、現在、日本人はイギリスは紳士の国でこんな宣伝などしない国だと思っているでしょう。
このほか、「ドイツでは食糧難のため、死者から油を絞ってバターを作る」というのもあります。米国にまきちらされたプロパガンダは米国民に信じられ、人気商売である大統領もぐらつかされたようです。そしてルシタニア撃沈事件が起こり、米国は参戦へ向かいます。
こうしたプロパガンダ攻撃は内外への常套手段としてその後の第二次世界大戦期にもよく使われています。支那国民党など同じような手法を用いています。「南京虐殺」など国民党宣部がデタラメを書いて欧州などにばら撒いた話です。内へのプロパガンダとしてはアメリカが真珠湾攻撃を「だまし討ち」としたことや、「バターン死の行進」という話をでっち上げて戦意を高めるということをしています。日本もインドネシア攻略の際にラジオ放送で「インドネシア・ラヤ」(後の国歌)を繰り返し流し、インドネシア人のナショナリズムを刺激することをしています。
さて、これらは戦時中の話ですが、現在でもかの国は「南京虐殺」とか、「日本の侵略」とか攻撃をしかけているでしょう。平時でもプロパガンダ戦は行われているのです。
参考文献
徳間書店「GHQ焚書図書開封」西尾幹二(著)
朱鳥社「続・日本人が知ってはならない歴史」若狭和朋(著)
竹書房「世界が愛した日本」四條たか子(著)
参考サイト
Wikipedia「プロパガンダ」「太陽の沈まない国」
添付画像
第一次世界大戦のイギリスのプロパガンダポスター(1915年)(PD)
78人の女性と子供が殺され228人の女性と子供がドイツ人の侵略者によって傷つけられたと書いてある。
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