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万宝山事件と中村大尉殺害事件

満州事変の直接の引き金。この歴史は語られていない。

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 現在、中華人民共和国の東北地方と呼ばれているところは以前は「満州」と呼ばれており、朝鮮と国境を接しています。朝鮮が李朝の末期の頃、干ばつなどの自然災害と大飢饉が発生し、多くの朝鮮人は満州の間島(かんとう)移住しました。日韓併合(1905年)以降も朝鮮人は満州に多く移住し、間島では60万人に膨れ上がりました。しかし、朝鮮人は満州人、支那人から差別されていました。

 昭和3年(1928年)から昭和5年(1930年)にわたり在満朝鮮人と支那人との対立紛争は100件を超え、支那の国民党は「鮮人駆逐令」によって満州から朝鮮人を追い出そうとします。行き場を失った朝鮮人は長春の西北約20キロの万宝山に入植しようとしました。ところが吉林省政府の警官隊は朝鮮人農民の退去を求め、昭和6年(1931年)7月に遂に支那人農民が大挙して朝鮮人農民を襲撃しました。そこで日本は朝鮮人(日本国籍を持つ日本人)保護のため武装警官を出動させます。

 直接の紛争の原因は朝鮮人農民が作った灌漑水路が支那人の所有地を横切ったというものですが、背景を見ますと朝鮮人迫害と排日、侮日があります。支那人は警察に訴え、朝鮮人は日本領事館に応援を求め、両者睨みあいとなり、支那人が水路を破壊しはじめ日本の武装警官と衝突し、発砲する騒ぎとなったのです。このとき死者はでませんでしたが、朝鮮の新聞が大々的に報じたため、朝鮮半島で反支暴動が起こり、華僑の店舗やお家屋が襲われ100人以上の支那人が殺害されました。

 この暴動とほぼ同時期に起きたのが中村大尉殺害事件で、中村大尉は対ソ戦に備えた兵要地誌作成のため、井杉延太郎(予備曹長)とともに変装して興安嶺方面を偵察中だったとき現地の屯墾軍につかまり、殺害されます。事件は6月ですが、7月になって発覚し、日本側は抗議しますが、支那側は「でっちあげだ」と事実を隠蔽します。この頃の日本の外務大臣は幣原喜重郎外交で、「軟弱外交」と言われ、9月になっても「日支友好」を持論にたいして動こうとせず、これまで積もり積もった反日、侮日よる日本人の怒りは頂点に達していきます。かねてから支那人には国家統治する力が欠落していると考えていた関東軍作戦参謀・石原莞爾らによって満州問題を一挙に解決すべく満州事変へと突入していきます。

 満州事変に至る経緯をみていますと日本が条約によって正当な権益を持っていたにも関わらず、それを無視して軍閥の張学良や国民党が不当な行為を繰り返していること、日本の外交が「日支友好」を掲げて弱腰で対応していることがポイントとして挙げられます。日本はたいして何もできないと軽くみて嫌がらせがどんどんエスカレートしていき限界点に達してしまっています。南満州鉄道だけみても昭和3年(1928年)から3年の間、運行妨害171件、列車強盗189件、鉄道施設の略奪92件、電線の略奪26件もあります。当時は日支懸案370件と言われていました。そして万宝山事件と中村大尉殺害事件がおきています。

 日支懸案
  昭和2年 31件
  昭和3年 37件
  昭和4年 77年
  昭和5年 95件

 ラルフ・タウンゼント(1931年上海副領事)「暗黒大陸中国」より
「(張学良は)日本との条約を勝ってに破棄しだした。日本は、いわゆる軟弱外交と非難された男爵幣原が外務大臣であった。幣原は『中国政府との交渉は寛容と忍耐が求められている』と発言している。
 この間、中国人は何をしていたか。例によって反日運動を盛り上げるネタにしたのである。そこで『軟弱幣原外交は全く通じない中国人の暴虐ぶりは減るどころか激増しているではないか』と大日本帝国陸海軍は噛み付いた。何も今に始まったことではない。いずこの国も中国人には恩を仇で返されてきたのである」


 支那の本質は現代と変わっていません。軟弱外交の行く末、それは戦争か自滅かということです。我々は失われた歴史を取り戻し、本当の歴史に学ばねばなりません。



参考文献
 PHP新書「日本人としてこれだけは知っておきたいこと」中西輝政(著)
 PHP新書「世界史のなかの満州帝国」宮脇淳子(著)
 新人物往来社「歴史読本」2009.9『万宝山事件』戸部良一
 光人社「騙しの交渉術」杉山徹宗(著)
 転展社「大東亜戦争への道」中村粲(著)
 芙蓉書房出版「暗黒大陸中国」ラルフ・タウンゼント(著)/田中秀雄・先田賢紀智(訳)

添付画像
 万宝山事件の衝突現場写真(PD)

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コメント

現在、中韓友好と言うけれど、万宝山事件の真相解かったら、中国共産党と習近平国家主席の鈍い頭達どういう態度とるのか。

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