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歴史を貧困にみたらあかん ~ 松下幸之助

人を不幸にする見方はあかんな。

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 上智大学の名誉教授、渡部昇一さんは、「歴史というものは暗くも明るくも語れる。史実の並べ方ではどうにでもなる」と述べています。

アメリカの明るい歴史
「信仰の自由を求める聖なる有志ピルグリム・ファーザーズが苦労しながら独立宣言をし、憲法をつくり、そして自由主義と民主主義を世界に広めた」

アメリカの真っ暗な歴史
「ヨーロッパで食い詰めた連中が船に乗ってアメリカにわたり、おとなしく親切な先住民から食べ物をもらっていたが、力をたくわえてきたら、自分たちに報いてくれた土着の人々を殺し始め、バイソンや旅行鳩と同じく絶滅寸前に追いやり、生き残った人たちを一定の地域に押し込めた。そうして労働力不足になると、アフリカから黒人を連れてきて、ローマ帝国以来の奴隷帝国を作った」

 どちらも事実であり捏造歴史ではありません。私はどちらかというと後者のイメージが強いですが・・・

 パナソニック創業者の松下幸之助さんは高校の歴史講座をテレビで見ていて、その先生が古事記とか、日本書紀の作られた過程や、奈良の大仏の建立の説明しているのを見て、秘書の江口克彦氏に電話してこう述べています。(昭和51年、1976年)

「テレビ見とったらな、高校の歴史講座というんかな、日本史の講義を、どっかの大学の先生がやっておったけどな、それを見ておったら、あの古事記とか、日本書紀の、そのつくられた過程を説明しとるんや。ところがな、それが、いかにも天皇の作為というか、天皇さん個人が自分の都合のいいように作ったんや言うて説明しとるんやな。八つの島をつくったとあるが、あれは"こうとうむけい"な話なんだと言うとるんやな。また奈良の大仏さんの建立にしてもな、多くの民衆の塗炭(とたん)の苦しみによってできたんやと言うとるんやな」

 戦後、公職追放がなされ、教育界やマスコミのドンであるNHKに共産主義者やフランクフルト学派が入り込み、マルクス主義史観が席捲したことがよくわかる話です。

「そりゃそういう面もそれぞれにあったかもしれんけど、一面、天皇さんにしても、日本をよく治めたいという思いもあったやろうし、大仏をつくるんでも人心の安定とか、仏教の興隆を願うといったそういう思いもあったろうと思うな」

「それを、もう全部悪かったように言うとるんやな。なんとか日本をよくしたいという思いでやったことも、いわば悪意で解釈している。どんなことでも、いろいろな考え方が含まれているんやから、それを考えるときには、みんなが幸せになるようにとらえんといかんのやないやろうか。日本の歴史が偽りの歴史であり、邪悪な歴史であると考えたりする姿は、自分の国、自分たちの祖先を貧困に見ている姿や。
 なんでもそうやけど、いったい悪意からなにが生まれるんやろうか。せっかく日本はいいものを持っているのに、わざわざ悪くするようにするのは、まるで金になるものを、サビた鉄にしようとするのに似てるな。歴史については、いろいろな見方、考え方もあるやろうけど、人間を不幸にする見方、考え方はあかんな。こういう考え方がされているとするならば、日本の将来、日本の未来にとって重大な問題だと思うな」


 我々日本人は戦後、マルクス主義史観を刷り込まれてきました。搾取する側と非搾取側の二元論で考えるよう仕込まれました。政府VS国民、天皇VS国民、企業VS国民。そして捏造と歪曲の東京裁判史観により「戦前真っ暗」と刷り込まれ、あるいはその延長上の司馬史観によって「明治の栄光と昭和の破滅」で押さえ込まれてきています。それは戦後GHQフランクフルト学派により仕組まれたものです。それらは日本弱体化や共産革命といった悪意ある意図から仕組まれたものです。我々はそれに縛られることなく、歴史を貧困に見ることなく、日本の歴史から伝統的にいい物を学び、未来を育てていきたいものです。



参考文献
 ワック出版「歴史通」2009.7『唇に歌があふれていた日々』渡部昇一
 PHP文庫「松下幸之助随聞録『心はいつもここにある』」江口克彦(著)

添付画像
 松下電器、国民ソケットの昭和10年(1935年)のポスター(PD)


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