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皇室は質素

西洋の王室の大富豪とは次元が違う日本の皇室。

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 私の妻は皇室は大金持ちで一流のものを食べ、一流のものを身に付け、優雅な暮らしをしている、と思っています。これは大きな誤解ですが、マスコミなどが欧州の王室のような報道の仕方をするから、そう思い込んでしまうのでしょう。

 戦前の皇室は御料地といって全国に土地を持ち、有価証券など莫大な財産がありました。ですが、主に国策会社で不動産も96%は材木を得るための林野でしたから私有財産というより国庫とあまり変わらない位置づけでした。そもそも皇室は無私の存在です。戦後、GHQは財閥などの力を弱めるため一回限りの財産税法を課し、皇室財産も90%は国庫におさめ、さらにGHQ憲法によって資産のほとんどは国に納めました。原則的に皇室には私有財産というものは認められていません。

 皇室のための予算は「宮廷費」「内廷費」「皇族費」があり、宮廷費は宮内庁管理のもと国事行為や儀式、行幸啓、外国訪問、宮殿の補修に使われます。内廷費は天皇および皇族方の日用の費用に当てられ、平成21年度は3億2千万円です。いわゆるプライベートマネーですが、3割は祭祀などの人件費にあてられています。ですので、本当の意味で皇室が自由に使えるお金はさほどありません。昭和天皇は生物関係の研究書を買うときに侍従に「少し高価だが、経費に差し支えなかったら買ってもらいたい」と新聞広告を示して相談されたというエピソードもあります。皇太子殿下(今上天皇)の初等科卒業のお祝いに写真機をプレゼントしましたが「あまり立派なものや高価なものを与えては将来のためにならん」とおっしゃられて宮内庁写真部の中古品を利用したといいます。

 皇室は戸籍がないため、保険にも加入できません。宮内庁病院を利用すれば皇室は無料ですが、最新の医療技術が整っているわけではないので、宮内庁病院で手に負えない病気になると一般の病院で治療するため高額となります。宮内庁病院は老朽化が進んでおり、雅子妃殿下がご出産のために入院されたとき、米紙は「設備がボロボロ」「なぜロイヤルベビーが質素な病院で生まれなければならないのか」と報じたそうです。

 食事もごく普通の家庭料理を召し上がり、食材も御料地の牧場と築地の水産会社から仕入れます。高級食材など購入するゆとりはありません。毒見役というのはいません。侍医や調理スタッフが味付けや栄養素に問題がないかチェックする程度です。御用達制度は悪用、乱用する者が現れたからできた制度で、昭和29年に廃止されています。

 このように皇室は欧州の王室のような大富豪とはまったく異なります。雅子妃殿下がご病気になられたとき、欧州のマスコミは「プリンセスは因襲だらけの皇室に閉じ込められ病気になった。ヨーロッパの王族のようにもっと自由に、週末はヨットで海に出たり、夜はいろいろなレストランやナイトクラブで楽しむことを、日本の宮廷は許すべきだ」などと言い、日本のマスコミが「そうだ、そうだ」と報じるようなことをするから国民の間に誤解が生じるのだと思います。



参考文献
  幻冬舎「昭和天皇論」小林よしのり(著)
  講談社学術文庫「昭和天皇語録」黒田勝弘・畑好秀(編)
  PHP新書「日本人としてこれだけは知っておきたいこと」中西輝政(著)
参考サイト
  WikiPedia「財産税法」「御用達」

添付画像
  雅子妃殿下 平成21年12月23日の一般参賀(PD)

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